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鉄道基礎知識

誰にでもわかりやすく、鉄道に関する基本的な知識をご紹介します。

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◆鉄道の規格を決めてしまう「軌間」

考えてみれば、交通機関の名前として「鉄道」と言うのは妙だと思いませんか?
「飛行機」「船」「自動車」。いずれも人や貨物を“乗せる”機械が、そのまま交通機関名になっています。
なのに鉄道は、人や貨物を乗せる機械が走る“道”の名で呼ばれています。

え? 「電車」じゃないのか、って?
それは前回の「基礎知識」をご覧ください…(笑)

鉄道は、2本の鉄の線路(レール)無くしては、何も語れません。
レールあればこそ、少ないエネルギーで大量・安全・高速輸送ができるのです。
けれど、鉄道車両は線路の上しか走れません。
一方、他の交通機関には、専用の「道」はありません。
自動車は道路でないところでも走れます。飛行機は空、船は海を自由に動き回れます。



1067mmのJR鉄道の基本である線路の構造のうち、もっとも大切なのが線路間の幅。「軌間」です。
この寸法によって、その鉄道の規格の多くが決まってしまうと言ってもよいでしょう。

蒸気機関車のボイラーや電車のモーターなど、線路の間に位置する機器は、軌間によって設計が大きく左右されます。
そうでなくても、軌間が違う鉄道同士の直通運転は、異なる軌間を直通できる車両もありますので全く不可能ではないのですが、非常な困難を伴います。
電化方式や車体の大きさの違いは、実は直通運転にとって、そう大きな障壁ではないのですけれど、軌間の違いだけはどうにもなりません。


1435mmの京成世界で最初の営業用鉄道はイギリスで開業しましたが、この時に採用された軌間が1435mm。これが現在に至るまで、「国際標準軌(あるいは単に標準軌)」とされています。
なお、1435mmと半端な数字になっているのは、イギリスがヤード・ポンド法の国で、「4フィート8インチ半」と決められたのを、メートル法に換算したためです。
日本では新幹線がこの軌間であるほか、民鉄の一部で採用されています。

これに対して、日本のJRの在来線と民鉄の多くは、1067mm軌間(=3フィート6インチ)を採用しています。標準軌より狭い軌間を総称して「狭軌」と言います。
狭軌になった理由として一説には、鉄道技術の“先生”であったイギリスが、当時、植民地向けに1067mm軌間を推奨しており(建設費が安くなるから)、それがそのまま日本にも持ち込まれたから、とも言われています。


日本では、この2つの軌間が主流として、21世紀の現在まで受け継がれています。
直通運転できないがゆえの、さまざまな不便、苦労もありました。
一例として「山形新幹線」「秋田新幹線」があります。
これらは在来線を多額の費用をかけて標準軌に改築し、新幹線の電車が直通できるようにしたもの。
最初から標準軌に統一しておけば、しなくていい苦労でした。

鉄道基礎知識(バックナンバー)

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