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鉄道基礎知識(バックナンバー)

◆「出発進行!」は、出発する時の掛け声?

写真は、JR高山本線打保駅にて。 左端の信号機が「出発信号機」です。 これが青(=進行)なので、列車は出発できます。「下出」と信号機の下の板に書いてあるのは「下り出発信号機」の略ですよく、列車が出発するときの「掛け声」として「出発進行!」と言っているのを、テレビなどで聞きますよね。
そればかりか、列車じゃなくても出発するときには、とにかく「出発進行!」と。

実際、列車の運転台の背後にいると、「出発・進行」と運転士さんが言っているのを聞きます。
でもこれ。別に勢いづけで言ってるわけではありません。
何でもかんでも、列車が出発するときは「出発・進行」と叫ぶものではないのです。

略さずに言うと、これは「出発信号機が・進行を現示している」となります。
指差喚呼(文字通り、指で差して声に出して確認)した時に出す言葉です。

駅には、出発の可否を指示する「出発信号機」というものがあります。
これが「進行(=青)」を示していることを、信号を指差し、声を出して確認している言葉が、「出発・進行」なのです。
青信号をキチンと確認せずに、出発したら危ないですからね。

ですので、鉄道では信号を指差さずに「出発・進行」と言うことはありえません。

また、出発信号機を確認した時に「注意(=黄)」だったら「出発・注意」。
「停止(=赤)」だったら「出発・停止」、と言う(喚呼する)ことがあります。

僕みたいに、いつも運転台の背後に張り付いていると(^^;)
たまに「出発・注意!」という声も聞けます。

人間、声を出して確認すると忘れないものだそうで、安全・確実が第一の鉄道では、昔から「指差喚呼」が行われています。
で、列車が出発するとき、よく「出発・進行」と聞くものだから、「掛け声」と勘違いされ、世に広まったのでしょう。


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